断念したのでこのタイトル。

動機

Zigのstdにはcryptoライブラリがあって、これをNimで読み込ませる事でNimでも高度な暗号化処理が可能になるのでは...? という期待から取り組んでいた。

Zigからexport

exportというキーワードが付いた関数はCから呼び出すことができる。 この手の手順でよくやるno mangleはやらないらしい。これ意外だった。

以下はサンプル

export fn add(a: i32, b: i32) i32 {
    return a + b;
}

これをコンパイルするのだけど、Nimは

  • ヘッダファイル
  • 静的ライブラリ
  • 共有ライブラリ

の3つに対応しているので、今回は動的ライブラリとして出力してみる。 以下のコマンドを実行。 zig build-lib ./src/main.zig -lc -dynamic

するとカレントディレクトリに共有ライブラリが出力される。

Nimでimport

Nimではdynlibプラグマを使うことで共有ライブラリを読み込むことができる。 proc add(x: cint, y: cint): int {.dynlib: path, importc: "add".}

dynlibにはライブラリの絶対パスを指定する。 importcには関数名を指定する。

関数宣言部分では、呼び出す関数の型を指定する。この際、Cとの互換性があるcintを使う。1

NimからZig stdを呼び出す

export fn print(text: [*:0]const u8) void {
    std.debug.print("{s}", .{text});
}

ZigとC間で文字列を受け渡すためには、[*:0]const u8を使うらしい。センチネルというやつらしい。 Nimではこんな感じで呼び出せる。

proc print(text: cstring): void {.dynlib: path, importc: "print".}
print("もじれつ\n")

std.cryptoを呼び出したい

さてここからが本題。Zigにはstd.cryptoという暗号化処理向けのモジュールがあって、その中にはなんと楕円曲線暗号の関数がある。 これをNimから呼び出せれば行けるのでは...!と思った。

export fn getseckey() *const [32] u8 {
    const pair = crypto.sign.ecdsa.EcdsaP256Sha256.KeyPair.create(null) catch unreachable;

    const secret = pair.secret_key;
    return &secret.toBytes();
}

秘密鍵のバイト配列のポインタを返すようにしている。 Nim側はこんな感じ。

proc getseckey(): pointer {.dynlib: path, importc: "getseckey".}
let seckey = getseckey();

echo repr(seckey)

これを実行するとメモリ番地らしき値が表示される。ここから値にアクセスしようとしたけど、Nimでポインタを扱う情報が意外と少なくて断念した。ソースコードはここに公開しておくので、気になる人は試してみて欲しい。

1. 別にintでも行けるらしい。また、cintは大抵の場合int32になるんだそう。

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